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吉野杉の歴史について

丸太の断片

奈良県の吉野にある人工林で作られた杉を「吉野杉」といいます。吉野杉は日本三大人工美林の1つであり、赤材や構造材など様々な用途に使用される木材に製材されています。見た目の美しさや耐久性などに優れているため、吉野杉を使用した住まいもたくさんあります。そんな優良材の代表格である吉野杉には、古い歴史があることをご存知ですか?

◆お城づくりに吉野杉を用いた安土桃山時代
吉野杉は、室町時代に奈良県の川上村にて植林が始まりました。その後、豊臣秀吉が吉野杉の植林を行っている吉野地方を領有し、大阪城や伏見城といったお城の建築用材として吉野杉が用いられるようになりました。その他の建築にも吉野材が用いられ、木材の需要が全国的に広まっていったのです。

◆樽丸用材として使用され始めた江戸時代
江戸時代には、酒樽の樽丸用材として吉野杉が使用されるようになりました。その当時は、酒醸造業が盛んになっていたため、樽丸の需要が高まっていました。強度が高く、木の香りの良さとお酒が赤く染まらないことから、酒樽の樽丸用材として吉野杉が大変重宝されたのです。その他、酒樽の端材を有効利用して割り箸なども作られました。

◆吉野材ブランドとして確立した昭和
明治維新後は全国で大乱伐が流行したのですが、それでも吉野杉の高齢林を維持しました。そして、基本的には密植・多間伐・長伐期といった施業体系が行われているのですが、昭和になると樽丸から柱角の短伐期になりました。
また、江戸時代に樽丸用材として使用された吉野杉は、再び建築用材としての需要が高まり、結果として吉野材ブランドとして確立したのです。

このように、吉野杉には古い歴史があり、現在でも樹齢300年を超える人工林が残っています。

当店は、歴史ある吉野杉を専門に取り扱う製材店です。造作材や構造材、建具材、板材などの資材を行っており、これら製品の天然乾燥材を多数保管しているので、大口注文にも迅速に対応することが可能です。源平材・赤材のどちらも製材していますので、吉野杉をお買い求めの方はぜひ当店をご利用ください。各製品の価格が知りたいという方は、お気軽にお問い合わせください。サイト内にて4M荒木寸法での参考立米価格もご覧頂けます。

吉野杉の特徴を知ろう

◆成長過程に見られる特徴

吉野杉
自然に生育している木々は、根本付近の幹と先端部分の幹とで太さに違いがあったり、曲線を描くように生育していたりすることも珍しくありません。

だが、吉野杉は、幹の根本から先端にかけてほぼ一定の太さで真っ直ぐに幹が伸びるという特徴があります。真っ直ぐな材ほど、反り、曲がりといった木が乾燥する過程の現象が起こりにくく、良材としてふさわしい条件を備えています。

◆年輪
丸太の断面
吉野杉は一年あたりに成長する年輪幅がほぼ一定で、バランス良く綺麗に年輪が刻まれています。年輪の多いものでは、1cmの中に数十本もの年輪が見られるものもあり、吉野杉の緻密で均一な年輪は、木材として切断した際も板目や柾目の杢に美しく現れます。

また、年輪が細かいがゆえに密度が高く、強度が高いことも吉野杉の特徴です。杉のヤング係数の全国平均値がE70に対して、奈良県産材の平均値はE90と1.3倍の強度があることが奈良県森林技術センターの試験結果で示されています。

◆色艶の良さ
吉野杉は淡紅色の美しい色艶があるため、造作材や構造材として利用した時にも存在感があります。色艶は時を経るごとに独特の色味を深めていくので、新築時の美しさはもちろん、住み続けることで経年変化の美しさを楽しむことができます。徐々にアメ色に変化していく過程を感じることができる、見た目にも嬉しい木材です。

そんな吉野杉の良さを活かすためには、乾燥方法がとても重要です。木材の乾燥には「天然乾燥」と「人工乾燥」の2種類の方法があります。人工乾燥は一度に大量生産ができ、色ムラが少ないというメリットがありますが、吉野杉の香りや艶が損なわれやすいデメリットもあります。
一方、天然乾燥は自然の力で少しずつ乾燥させるため手間はかかりますが、木の香りや色艶を最大限に引き出すことができます。株式会社 高政では、人工乾燥で失われやすい吉野杉の色味や艶を保つためにあえて時間と手間のかかる天然乾燥を主としています。

◆徹底した管理でより高品質な木材が生まれる
節が少なく円熟に太った幹は、良質な木材が持つ条件の一つです。吉野杉は、木の外まわりが真ん丸に近い綺麗な真円をしています。若木のうちに枝打ちなどの丁寧な手入れを行うことで節を減らすことができ、吉野杉からは化粧面に節が現れない無節の木材がとれます。節のある木材も住宅部材として問題ありませんが、吉野杉の無節で真っ直ぐな木材は特に見た目が美しく、高級な木材として重宝されています。

吉野杉の板材、建具材などを販売

製材された吉野杉を必要とされている方は、吉野杉専門の製材所,株式会社 高政をご利用ください。株式会社 高政では、建具材、フローリング、構造材の製材・販売を行っております。製材の種類や参考価格については、サイト内でもご確認頂けます。質の高い吉野杉をお求めの方はもちろん、杉材の防菌効果・防腐効果についてのご質問なども、お気軽にお問い合わせください。

吉野杉はこうして生まれる

株式会社 高政では、建具材、構造材、板材など様々な形で吉野杉を製材しています。吉野杉が製材されるまでには、様々な工程を経ています。

◆密植(植林)

竹林
吉野杉を苗木から育成する場合、密植作業を行います。
植栽では、1ha(ヘクタール)あたりに3000〜5000本程の密度で苗木を植栽するのが一般的ですが、吉野杉の場合、1haあたりの植林地に8000〜12000本という非常に密度の高い植栽を行います。隣り合う木の間隔が1メートル程度になることで、若木の時期に大きくなりすぎる心配がなく、緻密で均一な年輪幅の吉野杉を生育することができます。

◆下草刈り
苗木の成長が雑草に妨げられないように、不要な雑草を除去します。一般的に、植林してから5年間程行われます。

◆間伐・除伐
間伐作業では、風通しや日当たりを良くするために、吉野杉を植えた林の中の密度を調整します。除伐作業では、不良木などを伐採して良い杉だけが残るように林を整えます。

◆枝打ち
良材の条件には、芯が中心にある、木の外形が丸い、節が少ない、一定の太さ、歪みがなく真っ直ぐな幹などが挙げられます。これらの条件を満たした良材を作り、杉の順調な育成を促すために欠かせないのが枝打ちです。
枝打ちとは、幹から伸びた枝を細いうちに低位置で打ち落とす作業です。枝を切断することで、光合成が活発に行われなくなり、ゆっくりと成長させることができます。その結果、年輪を緻密にし、無節材を作り出すことができます。

◆主伐(伐採)
7〜8月・11〜12月が伐採時期です。主伐作業では、樹齢100年や200年以上の木々が伐採されます。間伐や除伐を繰り返す中で主伐作業まで残された木は、年輪が細かく均一で、木材として加工した時にも板目・柾目が美しく現れます。

◆葉枯らし
木の丸太の断面
葉枯らしとは、伐採現場で木材を予備乾燥させる処理のことです。杉は、伐採直後に断面から樹液が流れ出すほど水分を多く含むため、伐採後すぐに木材として加工するのではなく、そのまま乾燥過程に移ります。
葉枯らしでは、枝葉をつけたまま、穂先を山側に向ける形で約6か月間放置します。そうすることで、枝葉から水分が蒸発していきます。葉枯らしを行うことで、材質の低下を防ぐと共に、重量も軽くなり、運搬しやすくなります。

奈良県で吉野杉を専門に取り扱う製材所・株式会社 高政では、日本三大人口美林にも数えられる吉野杉の製材・販売を行っております。お問い合わせは、専用のメールフォーム・FAXからご連絡頂けます。良材だけでなく、並材もストックしておりますので、吉野杉のご注文なら株式会社 高政へ。

見直されつつある「和室」

木目の美しい用材として和室空間にも合う吉野杉は、構造材や造作材、建具材、板材など様々な用途に使われています。生活スタイルが洋風化する中、ゆっくりとくつろげる和室は見直されてきています。

◆時代の流れからニーズの高まる和室空間

和室
戦後における日本の目覚ましい復興により、人々の生活には豊かさがもたらされました。アメリカやヨーロッパなどの世界各国から新しい技術や物を取り入れ、国内でも高品質の物が開発されてきました。
これまでの発展により生活の利便性は向上していますが、安らぎやくつろぎを求める時にハイテクな物に囲まれるだけの生活では、心身共に深い癒しを得ることが難しいのも事実です。

住宅の外観や室内空間の洋風化が定着した現代だからこそ、和室に求められる意味がより重要なものになってきています。日本人にとって生活には不可欠な存在であった和室やお茶、お花などの古くから大切にされてきた和の文化は、豊かになった今だからこそ、その魅力が再発見されています。

◆用途は様々
茶室のイラスト
和室の魅力として、様々な用途で利用できる点が挙げられます。
畳のある和室は、仏具や伝統工芸品を飾る空間としてはもちろん、子育て空間としても有効活用できます。柔らかい畳は、転倒時の衝撃も和らげてくれるため、乳幼児の寝室・遊び場として最適です。
畳や木材、和紙などの自然素材が多用された和室は、人々に安らぎを与えることから家族の憩いの場、少し横になれる場所などくつろぎ空間としても大活躍します。また、座布団を出すことで、客間に早変わりするのも嬉しいポイントです。

◆自由な発想で楽しめる空間に
和室だからと言ってこうしなければならないという決まりはありません。典型的な和室空間が砂壁・板張りの天井だからと言って、必ずしもその通りにする必要はないのです。
最近では、リビングやダイニングの一角に和室を設けるケースも増えています。「洋風な住宅だと和室が浮いて見えるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、壁や天井に統一感を持たせることでリビングやダイニングと和室が調和した空間になります。また、洋風とも相性が良い畳もあるので、既成概念にとらわれず和室を楽しめます。

和室は、現代を生きる日本人にとっても重要な役目を担っています。温かみのある和室作りをお考えなら、吉野杉を取り入れてみませんか?株式会社 高政では、吉野杉のご注文を承っております。造作材、構造材、建具材、板材など、用途に応じて吉野杉を製材致しますので、ぜひご利用ください。優良材のみならず、並材品のご注文にも対応しております。コンピュータによる在庫管理を行っているため、特殊寸法でのご注文にも迅速に対応致します。

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